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「先輩」

「先輩」

投稿者:倉沢 さん
――届かぬと知ってなお、告げずにはいられなかった由紀子。 覚悟はしていても大粒の涙は堰(せき)を切ったように溢れていく。 呼応するように空から降る鉛色の雨が、やがて頬を濡らして涙と混じっていった。 「濡れますよ」 そんな折、心まで冷え切るほど涙に打たれていたはずの空が近くなる。 差し出された空は不器用で温かく、無色透明の快晴だった。
2011年11月03日 09:59:11 投稿
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