遭遇【深淵に臨む・第2章】
投稿者:紙装甲Mk-Ⅳ さん
刺すような冷気が全身を襲う。これもまた、奴等のテリトリーの中にいるという証左の一つ。臨戦態勢を取り、暫く歩いた頃だ。木の上から、ミノムシのようにぶら下がっている何かが目に入った。…前言を撤回しよう。ミノムシと言うには、あまりにも大きすぎるのだ。漂ってくる死臭。青白い肌。それは紛れもなく、かつて人だったものの成れの果てだった。裸に剥かれて逆さ吊りにされたその姿は、さながら屠畜場の牛を連想させる。(…犠…
2020年11月26日 21:27:00 投稿
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